資格で見る心理カウンセラーの選び方

前回までは医療機関と心理カウンセリングオフィスを中心にして「メンタルケアを受ける機関・施設の選び方」をご案内してきました。
今回は「いいカウンセラーを選ぶポイント」を「資格」に注目してご案内していきます。

いいカウンセラーの選び方。
「私を選べばいいのです!」と言いたいところですが、ここはきちんと使える判断材料をご案内していきます。
なおこれらの判断材料はあくまでも私の主観ではありますが、まあまあ客観的でもあると思っています。鵜呑みにせずひとつの考え方として読んでくださいね。

 

心理カウンセラーをやるのに資格はいらないという現実

みなさんがカウンセラーを選ぶ際に最初に判断材料にするのは、カウンセラーがどんな人なのか、特にきちんとした資格を持っているかではないでしょうか。

まず周知いただきたいのはタイトルの通り、心理カウンセラーを名乗るのに資格はいりません。何の資格もなしに心理カウンセラーを名乗り開業しても何の罪にも問われません。
しかし無資格では信頼が得られるわけもなく、そんなカウンセラーを利用しようと思う人もいないでしょう。みなさんも何の資格も持ってないカウンセラーは真っ先に除外するでしょうから無資格カウンセラーはここではスルーします。ただ「カウンセラーは無資格でもできる・無資格のカウンセラーかもしれない」ということを頭の片隅に入れておいてください。

民間のカウンセラー資格は乱立

無資格では信用がない。裏を返すと何かしらかのカウンセラー資格があれば信用が得られる。そこで心理カウンセラーはウェブサイトや名刺に必ずと言っていいほど所持資格を記載しています。
しかし資格があれば安心できるカウンセラーだというものではありません。資格にも「質」があります。カウンセラー資格の質は本当にピンからキリまであるので、いいカウンセラーに出会うためにはここを見極める必要があります。

心理系の大学を出ていない人が心理カウンセラーを目指す場合、ほとんどの人は心理カウンセラー養成スクール(以下”スクール”と表記)に通って心理学やカウンセリング技術を学びます。新聞やネット広告などでいろんなスクールが受講生を募集しているのをみなさんも目にしたことがあるのではないでしょうか。

民間のカウンセラー資格はこれらのスクールの数だけあると思ってください。各スクールは独自の認定資格を発行しています。
・・・そう、「独自の資格」なのです。自分のスクールの講座を修了し試験に合格すれば「そのスクール独自の」認定カウンセラー資格が与えられ、晴れて「認定カウンセラー」を名乗ることができるのです。

そして各スクールで教える内容はまちまちです。だから民間の認定カウンセラー資格(以下”民間資格”と表記)は同じカウンセラー資格でもその質はピンからキリまであります。
高額な学費で年単位で通い、難しい試験に合格してやっと資格を取れるスクール・団体もあれば、ほんのン千円でたった1日の講義を受けるだけで資格を発行するスクール・団体もあります。どちらも「心理カウンセラー資格所持」と名乗ることができます。
またカリキュラムも、心理学や心理療法のことまで教えるスクールもあれば、傾聴技術を教えるだけのところもあります。

ということで民間資格の場合、資格があるというだけで信用するのは危険です。もちろん指導内容がしっかりしているスクール・団体が発行している資格ならばその認定資格だけでも立派な技術を持ったカウンセラーである可能性もあります。どちらの可能性もあるのです。

民間資格を基準にカウンセラーを選ぶ場合は、その資格を発行しているスクール・団体のことまで調べることをお勧めします。きちんとしたカリキュラムかどうか、どれくらいの規模の団体なのか、これまでの卒業生はどれだけいて、ちゃんと心理カウンセラーとして活躍しているのか、など。資格があるというだけで判断せず、その資格の質まで見て判断しましょう。

カウンセリングに関する公的資格

民間資格に対して国家資格・公的資格があります。国や公に認められた資格。見方は人それぞれですが一般的には信用度が高い資格と言っていいと思います。

心理カウンセリングに関する国家資格・公的資格には以下のようなものがあります。

◆国家資格
公認心理師 精神衛生福祉士 国家資格キャリアコンサルタントなど

◆公的資格
臨床心理士 産業カウンセラー 認定心理士など

私自身、民間の認定資格、公的資格(産業カウンセラー)、国家資格(キャリアコンサルタント)をそれぞれを所持していますが、やはり公的資格と国家資格の試験は学科・実技ともハイレベルでした。
これら国家資格・公的資格を持っているカウンセラーはに少なくともこのような試験に合格するだけの知識・技量があるのですから、安心・信頼できると判断する材料にしていいと思います。

複数の資格は視野の広さの証

ここまでは資格の「質」の視点でご案内してきましたが、もうひとつの視点として持ってる資格の「数」という判断基準があります。

数と言っても、持ってる資格が多ければいいというものではありません。同じ団体が発行した認定資格をいくつも持っていてもあまり意味がありません。「複数の団体で」資格を取得しているカウンセラーがお薦めだということです。

先ほど書いた通りカウンセラーの資格は心理カウンセラーになるためのスクール・団体の数だけあります。そしてスクールによって教える内容、方針、どこに重点を置くかなどにばらつきがあります。
つまり複数団体のカウンセラー資格を持っているということは複数のスクールでそれぞれ違った教え方や方針に触れて学んできたカウンセラーだということです。

違う団体で学ぶと、同じことを学んでいて「共通していること」と「違い」を体験できます。共通している部分は重要なこと・不変なことなんだと理解でき、違ってる部分は同じことでも視点が違うと見え方が違うということに気づかされる。こういう経験を積むことができます。
こうして複数団体で学習したカウンセラーはより堅実で深い知識があり、より幅広い視点で診断・分析をする力が身に付いてます。

こういう理由で複数団体でのカウンセラー資格を持っている心理カウンセラーをお薦めします。特に国家資格または公的資格をひとつ持ち合わせているカウンセラーがお薦めです。

心理学以外の専門性

ここまで心理カウンセラー資格のことをお話ししてきましたが、ウェブサイトや名刺にカウンセリング以外の資格や特性も表記されていたらそこにも注目してみてください。

カウンセリングでは「話を聴く」という段階の次に「回復へ向けて動き出す」という段階に移ります。この段階では目標の設定や回復するための方法をクライアントさんと一緒に考えていきます。
この際みなさんの相談内容に合った専門知識を持っているカウンセラーなら心強いですよね。心理学以外の専門知識や経験があると現実的で具体的なケアができます。

私の場合、心理学のほかにファイナンシャルプランナー資格と人間関係論、産業社会学の知識を活かしてカウンセリングを行っています。これらの知識のおかげでクライアントさんの回復に向けて具体的、現実的な情報提供や助言を行えています。

所持資格の欄やカウンセラーのプロフィールを見れば、心理学以外にどういった専門性があるカウンセラーかが感じ取れるでしょう。それがみなさんの相談内容に合致していればよりよいカウンセリングが受けられることが期待できます。

あくまでも参考まで

ここまで資格の視点から見た心理カウンセラーの選び方についてご案内してきました。あくまでも私の考えではありますが、資格を判断基準に心理カウンセラーを選ぶ際の参考にしていただければと思います。

では今日はこの辺で。

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