ホントに話せば解決するの? *カウンセリングの疑問

話すだけで解決できるの?

「話すだけで不安や悩みが解決するの?」
これはみなさんがカウンセリングに対して疑問に感じていることのひとつでしょう。

話すだけで解決するケース、結構あります。
「カタルシス効果(浄化)」といって、あなたの話を他者が真剣に聞いてくれ、気持ちをわかってくれることで気分がスッキリする効果が期待できます。こうしてスッキリすることでいろんな考え方ができるようになり、自力で問題解決に向かうというパターンです。

友達に相談することとの違い

「だったらお金を払ってまでカウンセリングを受けなくても、友達に話を聴いてもらえば悩みは解決できるんじゃない?」
こういう考え方もでてくるでしょう。

では友達に相談してみたときのことを思い出してみてください。
「そんなとき、私なんか◌◌をしたもんだよ」
「○○してみたらどう?」
「わかるわかる、私も同じ思いをしたから。私の場合は・・・」
「そういうことするからダメなんだよ」
「絶対にこうしなさい!必ずうまくいくから」
こんな感じの応答をされていませんか。

で、こういう応答をされてどんな気持ちになりましたか?スッキリできましたか?
きっとなんかモヤモヤ感が残ったのではないでしょうか。

「聴いてくれてる」と思ってたら実は聞かされていた!

これらの応答をよく見てみましょう。何か感じませんか?
あなたのやってることが否定されて相手の考え方を押し付けられている。そう感じませんか?

このような反応は「あなたの話を聴いてくれている」のではありません。実はあなたの話をもとにして、相手の考えや価値観を「あなたが聞かされている」状態なのです。
あなたにアドバイスしたり、自分の成功事例を押し付けることで相手の方が満足しているだけ。当然あなたはスッキリしません。それどころかかえってモヤモヤが残るのです。

人というのは自分の知ってることを教えたがる生き物です。おそらく「教える立場=相手より知識がある・優秀・偉い」という錯覚が無意識に働き、相手よりも上に立つ満足感を求めて教えたがると思われます。
相手よりも上の立場でいたいという思いは人の自然な欲求かもしれません。そう考えると一般の人は相談を持ち掛けられるとアドバイスをしてしまう(自分の知ってることを押し付ける)傾向があるのは自然なことです。

「あなたの立場」を大切にするのがカウンセラーの聴きかた

心理カウンセラーによるカウンセリングはそこが違います。カウンセラーは自分視点のアドバイスは極力せず、相手の価値観に寄り添うよう「聴く技術」を徹底的に訓練しています。

例えば…あなたは失恋した友人(女の子)の話を聴くことになりました。
なぜ急に別れようと言われたのか、自分のどこに原因があったのか、彼だってこういう悪い面があったじゃないか、でもやっぱり今でも好き、本当は別れたくない…
こんな気持ちが混乱している状態です。この話を、あなたはどういう風に聴いてあげますか?

「突然別れようなんて、ひどい彼だね!」
「あの時あなたもこうすればよかったんじゃない?」
「アノ男も○○ちゃんに散々迷惑掛けてたじゃない!勝手だよね」
「アイツよりもいい男、たくさんいるよ」

このような応答は「相手の相談を聞いている」のではなく「あなたが自分の考えを話している・自分の価値観を押し付けている」状態です。
友人の方は本当はまだ彼が好きという気持ちがあるのに、この応答では「彼が悪い」と勝手に決めつけて彼を責めています。これでは友人の気持ちは宙ぶらりんだというのがわかりますよね。きっと「そうじゃなくて・・・私の気持ち、わかってもらえない」とモヤモヤするでしょう。

共感できる人がいる安心感から始まる変化

そうではなく、友人の気持ちに寄り添って「今でも彼のことが好きなんだよね」「それだけに○○ちゃん、つらいんだよね」と応答したらどうでしょう?

「そうなの!私、今でも彼のことが好きなの。だから今、こうして苦しんでてつらいの!わかってくれる!」
きっと、この気持ちをわかってもらえたこと=共感できる仲間ができたことが嬉しいはずです。共感できる仲間がいると安心感が得られます。
共感してくれる仲間が得られ、安心を感じられるようになると、気持ちに余裕が生まれます。すると「この気持ちをどうすれば私は楽になれるのだろう」ということを考えられるようになります

そこから今度はその考えに基づいた行動を起こせるようになります。失恋を受け容れて新しい恋を目指す方向に行くか、ヨリを戻すための努力をするか。どちらにしろその友人は「自分が楽になるための一歩」を踏み出すことができるはず。
このように、悩みを抱えている方が「自分に合った方向へ一歩踏み出せる」ように寄り添う聴き方が、心理カウンセラーによるカウンセリングです。

寄り添う聴き方だから解決に結びつく

私たち心理カウンセラーは、自分の考え・価値観は主張せず、あなたのことを信頼し、あなたの気持ち・考えをともに受け入れて話を聴くことを訓練されています。だから不安や悩みを解決するお手伝いとなる話の聴きかたができる。そこが友達に聞いてもらうこととの違いです。

もちろんこれだけで解決しないケースも多々あります。ですが誰かに話すことが悩みや問題の解決のスタートになります。一発解決しなかったとしても、話したことが解決へのひとつの過程となります。まずはカウンセラーを相手に話してみて、「話す効果」を実感してほしいと思います。