エンカウンターグループ

エンカウンターグループには大きく分けて”構成的エンカウンターグループ”と”非構成的エンカウンターグループ”の2つの種類があります。

構成的エンカウンターグループは主に会社の研修や教育現場で用いられる指導的・教育的なエンカウンターグループです。グループ内で課題を設定し、その課題達成に向けてグループでエクササイズとシェアリングをするグループワークです。

非構成的エンカウンターグループは課題や目的を設定せず、その日・その場に集まったメンバーで、感じた事、思ったことを思うままに本音で話し合っていくグループワークです。”ベーシックエンカウンターグループ”とも呼ばれます。参加者それぞれの自発性を尊重し、受容的・共感的な参加者の中で語り合うことによる自発的な自己変容が期待できます。

つばさカウンセリングのエンカウンターグループは”非構成的エンカウンターグループ”です。

成り立ち

非構成的エンカウンターグループはカール・ロジャーズ博士(1902年~1987年)が、自身で唱えたPCA(パーソンセンタード・アプローチ)の考え方に基づき1960年代に実践されました。
ロジャーズはアメリカの心理学者で、技法よりも「カウンセラーとクライアントの人間関係」を重視し「積極的傾聴」を主張した現代のカウンセリングの基礎を築いた人物です。クライアントを中心に据えて考えるのでPCAと呼ばれます。
ロジャーズはPCAはカウンセラー対クライアント(=カウンセリング)だけに留まらず、「一人ひとりの人間の個別性、独自性を尊重し、あらゆるコミュニティとの積極的な人間関係を深めようとする考え方である」とし、この考え方に基づいて”エンカウンターグループ”を実践しました。

非構成的エンカウンターグループの進め方

ここでは本来の進め方と、つばさカウンセリングで行う場合の進め方の2つに分けてご案内します

本来の進め方

本来のエンカウンターグループは10人程度のメンバーが何日か一緒に過ごし、互いに尊重し合う自由な雰囲気の中で、本音で交流する場です。

参加者とファシリテーター(=促進者)が輪になってわかちあいます。そこにはあらかじめ決められた話題はなく、グループの方向性は参加者の自発的な動きによって変わってきます。
参加者から希望が出れば体を動かしたり心理学的なエクササイズをすることもありますが、通常はテーマの定めのない自由な話し合いを中心に進められます。

逆に誰も発言しない沈黙の時間が続くこともあります。その場合でも誰かが話をするよう促すことはしません。あくまでも参加者の自発的な動きに委ねられます。沈黙の時間にも何か意味があるものと考えます。場合によっては沈黙が何時間にも及ぶこともあります。

時には言い合いになることもあります。それも無理には止めません。本音と本音をぶつけ合うからこそ言い合いになるのは自然なこと。そして本音同士をぶつける場というのもなかなかありません。この場だからこそ本音の言い合いができるのです。そして言い合いにも意味があります。本音を思いっきりぶつけ合えたからこそ見えてくるものがあります。

このようなワークを数日掛けて行います。終わるころにはメンバー同士が心の底からわかりあえる仲になってることでしょう。

つばさカウンセリングで行うエンカウンターグループ

つばさカウンセリングのエンカウンターグループはコミュニケーションを重視したエンカウンターグループ、「話す効果を味わってもらうこと」「人とのつながりを味わってもらうこと」を目的にしていることが特徴です。

  • 安心できる場で
  • 安心できる仲間と
  • こころの底から思いっきり語り合うワークショップ

を目指しています。そのため本来の進め方に比べればゆるめの雰囲気で行っています。

当相談室の場合は2~4時間程度、そして人数は5名程度で行います。
本来の進め方に比べると非常に短いですが、気軽に少人数でわかちあうにはちょうどいい時間です。この時間でも結構深いわかちあいができるものです。

本来の進め方では何日も一緒に過ごすだけあって、終わったときには他のメンバーと心の奥深くからのつながりを感じられます。
短時間のエンカウンターグループではさすがにそこまで深いつながりにはなりにくいですが、むしろ「一期一会の語らい」をするにはちょうどいい環境です。あまり深い仲じゃない相手だからこそ思いっきり話せる、今後はかかわりのない相手だから気楽に話せるというのも短時間でのエンカウンターグループの特徴です

本来のやり方では言い合いになってもそのまま進めますが、当相談室では参加者のみなさまに「話す効果」を味わってもらうのが目的なので、言い合いになりそうな雰囲気になった場合はファシリテーターが介入して方向修正します。フレンドリーな雰囲気の中で安心して語り合っていただくことを心掛けています。

このほかの「テーマを設定せずに自由に語っていただく」「進行役や指導者という立場の人は置かずに場の流れにまかせて進行する」といった基本的なところは本来の進め方に沿って行います。

いろいろ書きましたが、当相談室のエンカウンターグループでは開始前に以下のお願いをしています。最低限これを守っていただければOKです。あとは思う存分に語り合っていただきたいと思います。

【エンカウンターグループ参加にあたってのご案内とお願い】

★ここでのお話には守秘義務を課します ご協力をお願いします

●「こんなこと話していいのかな?」と気にすることなく、安心してお話しください

●ほかの人のお話は肯定的に聴くことを心掛けてください

●もちろん「自分の考えと違う」と感じることもあると思います。その場合は「私は・・・と思う」と、自分の考えとしてフィードバックしてください

●沈黙が続く時間も結構ありますが、恐がらないでください
・静まり返っているからといって、無理に話さなきゃと感じる必要はありません。
・沈黙が続いてる中で「このことをわかちあいたい」と思いだすこともあるでしょう。その場合は思い切って話を切り出しましょう

●沈黙が続いたときは話題を変えやすいです。自分が分かち合いたいことを言い出せていなかったらこのタイミングがチャンスです。「話題を変えてもいいですか?」と伺いを立てるとより変えやすいかと思います