ぺこぱ松陰寺に学ぶアンガーマネジメント

相手の行為や言動に対してついカッとなって反論してしまった、手を出してしまった。しかし後になってそこまで怒ることでもないと気づき、むしろ人間関係が悪くなって後味の悪い思いをしてしまった。そんな経験、みなさんにも1度や2度はあるのではないでしょうか。

怒りの感情をコントロールすることをアンガーマネジメントと言います。衝動的に発生する怒りをうまくコントロールできたらいいですよね。でもそれがなかなかできなくて困っている人も多いと思います。

私はお笑い芸人のぺこぱの漫才が大好きなのですが、あの「ノリつっ込まない」という芸風、実は究極のアンガーマネジメントになってると思ってます。

怒りのメカニズム

アンガーマネジメントの仕組みを 紹介する前に、怒りの 感情はどのようにして生まれるのか、そのメカニズムを知りましょう。一般的な怒りのメカニズムは

1.相手による不快な行動
   ↓
2.思わずカッとなる
   ↓
3.相手を責める、否定する、攻撃する

という流れになります。
ではアンガーマネジメントはどこにアプローチすると思いますか?

「1から2に至る過程でカッとならないようにコントロールする」と思うかもしれませんが、そこではないのです。実は2から3に移る過程にアプローチします。

そう、カッとしないようにするのではなく、カッとした自分を受け入れるのです。なぜなら相手の行動のせいであなたが迷惑しているのは事実だからです。それを放っておいてはあなたがかわいそうです。

2で思わずカッとしたあなたを「そりゃ怒るよね」とあなた自身が認めてあげる(=自分を癒す)のがアンガーマネジメントの入口なのです。そして3に進まないようコントロールしていくのです。

アンガーマネジメントの流れ

アンガーマネジメントは以下のような流れになります。

【アンガーマネジメントの流れ】
①自分の怒りに気づき受け入れる
②相手の立場を理解し受け入れる
③「自分が」どう行動すればいいのかを建設的に考え実行する

カッとなった自分に気づき、「それは怒りたくなるよね」と 自分の怒りに寄り添ったら、次に相手の立場に立って考えます。 
相手にもそのような行動をした事情や状況があるはず。それを自分にあてはめて考えると相手への理解も深まります。

すると「それはしょうがない」とか「それならそういう行動をすることもあるよな」と相手のことも受け入れられるようになるでしょう。

怒っている自分を受け入れ、相手の立場も受け入れたら、次は建設的な対応を考えます。
ここでの前提として「相手に怒りをぶつけることは建設的ではない」ということを理解しておきましょう。
怒鳴ったり罵るなど相手に怒りをぶつけたところで何も前進しないのです。あなたは気が済むかもしれませんが今度は相手が反感を覚えて反論、反撃しかねません。人間関係が悪くなるだけです。

「いやいや、怒ることで相手に他人に迷惑をかける行動をしているよと気づかせることができるじゃないか!」
・・・ごもっともです。
でもそれなら別に怒らなくても普通に伝えればいいですよね?

これが建設的な考え方です。普通に伝えれば相手も反感を覚えることなく、かつ、それで相手が気をつけるようになれば相手の方の成長につながりますよね。あなたと相手の方との人間関係も壊れずに済みます。

このように、自分の怒りを認めつつも相手の立場も理解し、建設的な解消方法を考えるのがアンガーマネジメントの流れです。

松陰寺の「ノリつっ込まない」に学べ!

ここまでアンガーマネジメントの流れをご案内してきましたが、理論では理解しても、これだけの行程を瞬時に行うなんて難しそうですよね。

そこでぺこぱの「ノリつっ込まない」なのです!
ぺこぱが挨拶の時によく使うネタで見てみましょう。

「私が松陰寺大勇です。そして・・・」と松陰寺がフリを入れる

「しゅうぺいでーす」と言いながらしゅうぺいが松陰寺より前に出て邪魔をする

松陰寺は「いーや、被ってる!」と一瞬怒りつつも少し間を空けて「ならば俺が横にずれればいい」と突っ込まずに自己解決する

この一連のやりとりをアンガーマネジメントの流れにあてはめると

①「いーや、被ってる!」のノったところで怒っている自分に気づき

②ツッコミをいれる前の「間」で”別に悪気はない/天然だからしょうがない”などとしゅうぺいの立場を受け入れ

③怒りにまかせてツッコミをいれるのではなく、「ならば俺が横にずれればいい」と建設的に考え行動する

どうでしょう、「ノリつっ込まない」ことで松陰寺は瞬時に①②③をクリアしているではないですか!
つまり「ノリつっ込まない」は立派なアンガーマネジメントのテクニックなのです!

「アンガーマネジメントなんて難しくてできない」「理屈はわかっていてもできない」と思ってる方は、アンガーマネジメントをがんばろうとするのではなく、まずは松陰寺のノリつっ込まない芸を真似することから始めてみてはいかがでしょうか。
きっと松陰寺も言うでしょう。「悪くないだろう」と(???)

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